小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER LATE_AT_NIGHT 第一話

DAYBREAKの後の話。過去からの来訪者、ブラッドの新入生、海の焔がメインの話。2075年の大体4月辺りの話ですが、キャラ把握も兼ねて同時進行します。

それ故に色々と分かりづらいですがご勘弁あれ

 

第一話「歪」

 

 

 

目が覚めると、俺は。

見知らぬ部屋で、見知らぬ姿になっていた。

 

今はただ────

 

 

 

Side.Midori

 

「……、」

 

私の名前は海音ミドリ。海音リョクノっつー女の子の相棒だ。

……前まではリョクノの武器として一緒に戦っていたのだが、今は神機使いとして戦っていたりもする。オーバーワークすぎて泣けてくるぜ。

 

「────、──」

「あー……なんだ?やけにうるせぇ…」

 

私はたった今目覚めた所だが、なんだか部屋の外がやたら騒がしい。

どうやら女二人が言い争いをしているようだが、私の部屋の近くで騒ぐとは良い度胸だ……なんて思いながら確認の為に(寝巻き姿のまま)ドアを開けると。

 

「リョクノ、俺の事忘れたのか!?ねェわ!ほンとねェわ!!オマエだけは親友だと思ってたっつゥのによォ!!」

「はぁ!?お前なんか初めて見たっつーの!人違いなら人違いでさっさとどっか行けよ!!」

 

海音リョクノと見知らぬ紫髪の少女が喧嘩していた。

……なんだか、よく分からない因縁?を付けられているっぽいな。

とりあえずここは穏便に……

 

「あのさ」

「あ?……なんだ、ミドリか」

「アァ!?……って」

 

リョクノはいつも通り気だるげに、見知らぬ少女は私を見た途端目を見開いて。

……何、私とリョクノが瓜二つなのがそんなにヤバかったのか?と思ったが、どうやら別件らしく思いっきり肩を掴まれた。びっくりしたけど表情を見るに安堵しているらしい。

 

「こ……こっちがリョクノか!そ、そォだよなオマエはこんなに目つき悪くねェし!」

「は?おい、それ聞き捨てならねぇ」

「まあまあ、落ち着けって相棒……」

 

……よく分からないがどうやら今度は私の事を「親友のリョクノ」だと思っているらしく、正直全力でそうじゃないよ!と教えてやりたいのだがそうするとこの場がもっと混乱するから言わない。

…っていうか、何か大事な事を忘れているような。

 

「なぁ相棒、今日って何かあったっけ」

「今日?忘れたのか。私の所属する『ネメシス』が他の支部に遠征する日だ」

「…………」

 

そうだった。

相棒である海音リョクノは独立遊撃部隊『ネメシス』に所属していて、少し前に部隊の実力が認められたから……遠征ができるようになったんだっけか。

私は『ネメシス』所属じゃないから行かなくて良いのだが、逆に言えばリョクノと離れ離れって事だ。一大事だ。

 

「やだやだ相棒と離れ離れだなんてそんな」

「……おい、ソイツが凄く構って欲しそうな目で見てるが」

「…………」

「…リョクノ?少し積もる話がアる」

 

リョクノに言われて見知らぬ少女に目をやると、私の肩を掴んだままこちらをじっ、と見つめていた。

……すごく申し訳なさを感じた。弱々しい問いかけに思わずこくこくと頷いてしまう。

 

「じゃ、私はもう行くからな」

「えっ」

「帰ってくるまでにソイツの事頼むわ」

 

それを見届けたリョクノは言いくるめるように私に少女を任せ、そのままエレベーターの中へと消えていってしまった。

あまりにもあっさりすぎる別れにがくりと肩を落としていると、服の裾をくいくいと引かれる。

……少女が構って欲しそうにしていた。

 

「なァ、話。聞イてくれ」

「……あ、おう!そうだな、いくらでも聞いてやるよ!」

 

そうして、私は見知らぬ少女を自室に案内する事にした。

 

 

 

とりあえず、話はコーヒーでも飲みながら。

 

「……話してェ事が、沢山アる」

「奇遇だな、私もいっぱいあるぜ」

「……」

「……」

 

とっても……とってもやりづらいが、ここは現実を突きつけるしかない。

私はリョクノじゃない、と……

 

「オマエ、リョクノじゃねェンだろ?」

「そうだぞ!!今それを言おうとしてたところだ!!」

 

意外にも向こうから切り出されたので思わずがばっと立ち上がって全力で叫んだ。だって向こうから言うと思わないじゃないか。何で分かってたんだよ!何で、何で……あ、そういえば。

 

「とりあえず、私がお前の親友さんじゃないと分かってくれて助かったんだが……確認するが、お前昨日までここにいなかったよな?」

「ここってのがどこを指してンのか分からねェが……少なくとも、昨日まで俺はちゃンと学園都市にイた。それがどォして……」

 

……学園都市?そんなもの、聞いたことないぞ。

おまけに話が全く見えない。とりあえず……

 

「……なんで昨日までここにいなかった人間が、私の相棒である海音リョクノの名前を知ってたんだ?」

「……あま、ね?」

「おう。あまねりょくの」

「霧雨、じゃなくてか」

「………………」

 

んん、分からない。全く分からないぞ。

とりあえずここは知ってる事洗いざらい話してもらって、聞きに徹するか……

 

 

 

 

「お前は2016年の人間で」

「オウ」

「学園都市って所に住んでたはずで」

「ウン」

「そこには『キリサメリョクノ』っていう、私の相棒にそっくりな人間がいて」

「イや、どちらかと言ウとオマエに似てる。やたらハイテンションな所が」

「おっけーわかった。……あとは、体も全然違う姿になってて何が何だか訳が分かんねぇ……と」

「そォだ」

 

……。

とりあえず、少女の名前(鈴科イブキって名前らしい)と知っている事を全部話してもらったが。

 

「…………叫んでいいか?」

「どォぞ?」

 

許可を貰ったのでとりあえずベッドに座り、枕を殴りつけるポーズを取ってから思いっきり叫んだ。

 

「私だって訳分かんねぇよクソ!クソッ!!2016年てなんだよ!?大昔じゃねえか!!しかも学園都市なんて聞いたことねぇよ!!んで、なんで相棒に似たヤツが大昔にいるんだよ!!御先祖様か何か!?」

「………………」

 

あ。

思わずボコボコ枕を殴っていたが、思っていた事を全部吐き出してしまったせいでイブキの表情がなんかヤバイものになっていっている。

やっちまったぜ。

 

「……あ、悪い、今のは」

「…そォだよな、そォだよな……俺の言ウ事なンざァ、誰も……」

 

イブキの顔がいかにも「ズモモモモ……」という効果音が似合いそうな感じに暗くなっていく。

なんだかとても申し訳ない事をしてしまった……

 

「お……おおうすまんすまんって、ごめんな?ごめんって……」

「……あくまでも信じないつもりみたいだけどぉ、その子の言ってる事ホントだよぉ?」

 

……何、誰だ!?

誰か見知らぬ男の子の声が聞こえたと思ったら……え、ちょっと待て。何が起こった?

振り向くと目の前にはマリスをショタくしたような金髪の男の子が立っていたが、さっきまでこの部屋には私とイブキしかいなかったよな……?

 

「お前、誰だ?一体いつ入ってきた。ノックしたら歓迎したのによ」

「あはは、ネメシスの人とは違って友好的なんだなぁ。僕はツクヨミ、かつてシルとマリシアにマザーと呼ばれた統制神さ」

「……??」

 

ツクヨミアラガミツクヨミじゃなくてか?ていうか統制神……?そんなものが実在するのか。

それにシルとマリシア(あ、最近入ってきたなんか色々お有りの二人の事だぜ)がマザーって……?どういう事だ、一体。

 

「……まだ出てきていない人物の名前を出すのはまずかったかなぁ。時雨さん?ただでさえいぶきんの説明がこんがらがってるのにこれはまずいんじゃなぁい?」

「ひっ……」

「……誰に話してるんだ?」

 

イブキは怯えるわ一人で喋り出すわでヤバイぞ、コイツ。そもそもどうやって入ってきたのかまだ分かってねぇし。

……でも、口ぶりからは何か知ってそうな感じが……

 

「なぁ、イブキの事について何か知ってるのか?」

「んあ?勿論!僕は統制神だからね、っていうかネメシスの人らに言わせれば僕が原因なんだけどね!」

 

きゃは、と見た目に似つかない笑い声を上げるツクヨミ。……ていうかさっきからちょくちょくネメシスが出てくるが、関わりあったのな……。何でりょくのんは話してくれなかったんだ。

 

「……お前が?原因?そりゃどういう事なのさ?」

「んーとね、僕が前に出てきた時に一悶着あってねぇ。ちょーっとした『喧嘩』をして僕がやられちゃったんだけどぉ……その時に平行世界に歪みが発生しちゃって」

 

なるほど分かんねぇ。……でも、平行世界とやらの事なら分かるぜ。何故か知識として頭に入ってるからな。

 

「……な、平行世界ってなンだ?」

「もしもの世界、とやらだな。パラレルワールドとも言うぜ」

 

……わざわざ平行世界って単語を出したって事は、イブキはもしもの世界の住人って事か。

 

「……ま、ちょっとした事故でその子は平行世界から飛んで来ちゃったってワケ!」

「…………」

「あ、僕が確認した所だと君は『元の人格から分離する形』でこっちに来ちゃったから、元の世界に戻れても居場所は無いだろうねぇ。ま、そもそも元の世界に戻る方法なんてどこにも無いんだけどね!」

 

分かんねぇ……全く分かんねぇ……と状況を整理していると、何やらイブキが拳を握りしめて震えていた。

……宥めようかと思ったが、そっとしてやった方が良いか……?

 

「いやぁドンマイドンマイ、君はもう元の世界に帰れな」

「ッるせェンだよ黙ってりゃ!!イきなり出てきたと思ったら妄想をツラツラツラツラ並べ立てやがって!!」

「おい落ち着けイブキ!相手は子供だぞ!?」

 

ツクヨミが喋り出した途端に(多分煽ってた)、イブキが完全にブチギレたようでツクヨミの胸ぐらを掴んでいた。ヤバイからとりあえず止めておいたがまるで離さない。

 

「妄想、ね。実際、ここは君の知る世界じゃない。周りの人間も当然君の事を知らない。誰も頼れない、そんな時に現れたこの僕の言葉を信用しなければ一体君は誰の言葉を信じて動けば良いのかなぁ?」

「……ッ、それは…」

 

それを言われたイブキは、掴んでいた手を緩めて悔しげに目を逸らした。

ツクヨミの言葉にも一理あるが、ツクヨミを信用できないってイブキの気持ちも分からんでもない。いきなり出てきた男の子でしか無いからなぁ……

 

「ま、そういう事だよ。君はもう、この世界で過ごすしかない」

「…………」

「ふぁ……あ、そろそろ帰るね?……それと僕は子供じゃないよぉ。子供なのは見た目だけ、ってね」

 

絶望したかのように床を見つめるイブキと、気だるげにあくびをして私に告げるツクヨミ。……子供じゃなかったのか、あんま良く分かんねぇけど。

 

「……ああ、またな?」

「それじゃ、バイビー☆ってね」

 

そう言うとツクヨミは虚空に消えていった。……人じゃないのはマジみたいだ。

とにかく、これから私はどうすりゃ良いんだ……?イブキをどうにかしてくれって言われてるし……

 

「……嘘みたいな、嘘にしか思えない話だなぁ……」

 

あまりにも現実離れした出来事の連続に、私は思わずそう呟いていた。

 

 

 

続く