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小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER TANGLED_CAUSAL 第一話

よその子様 本編 TANGLED_CAUSAL

全場面メノムチちゃん視点の予定です

 

 

気が付くと、私は贖罪の街に立っていた。

……右手には時計を模した、見たことも無い神機が握られている。これは一体?

 

「……悲劇を止める、だっけ」

 

アイツが言っていた「ゲーム」の事を思い出して、また憂鬱さを感じる。

悲劇を止めてこのゲームをクリアしても、その後私はどうなってしまうのか。

元の世界に帰れるとは思えない……また今までの繰り返しが始まるのだろうか?

 

「やんなっちゃうなぁ……」

 

とにもかくにもまずは「悲劇」を探さないとどうにもならない、そうするにはまずアナグラに帰らないと……、

……ヘリもないのにどうやって帰るの?

 

「うぇぇ……早速詰みじゃん……」

 

悲劇が何なのかも悲劇の止め方も分からないのに、アナグラにも帰れないとは。

……確か一人だけ平行世界を認識できる人がいるって言ってたけれど、その人を探せば何とかなるのかな。

 

「とは言ってもねぇ」

「貴様」

 

突然聞こえた低い声に思わず「ひぇっ!?」と甲高い声を上げてしまう。

……声のした方を向くと、白髪に赤黒い服を着た傷だらけの青年がいた。

 

「何故ここにいる?任務はもう終わった筈だぞ」

「え?えっと、それはね……」

 

ヨミさんの時は明人さんが入ってきてくれて助かった。けれど、今は周りに誰もいなさそうだしそれは望めないだろう。

……誤魔化すしかない、か。

 

「えっとー……素材収集に来たっていうか…」

「……ほう。…名前を聞く時はまずこちらから、だったな。私はマリス・エイデン、だ。貴様の名は何だ?」

 

何とか通じた、良かった……マリスさん、っていうのか。

ちょっと怖いけど優しそうな人だ。この人なら仲良くできそう……!

 

「私の名前は緒帯瑠……」

 

……名乗ろうとして、とある事に気が付いた。

なんで、マリスさんは任務が終わってもここにいるの?

 

「……どうした?」

 

薄笑いを浮かべるマリスさんが不気味で、思わず私は言葉を発するのを躊躇った。

血のように赤い瞳がどことなく鈍く光っている気がして、薄笑いの不気味さに拍車をかけている。

 

「……なん、で…マリスさんはここにいるの?」

「…………」

 

そう尋ねるとマリスさんは一瞬だけ口を大きく歪めて、

 

「ッ……はは!ふっ、ハハハハハハハハッ!!」

「えっ……え?」

 

周りに響くくらい大きく高笑いをした後、マリスさんはこちらを見て笑いかける。

まるで、何事もなかったかのように。

 

「どうした?……貴様の名は、何だ?」

「ね……ねえ、あんた……何なの……?」

 

問いかけた途端に、ジャキッ!!と勢い良く神機をこちらに向けられる。

……あまりに唐突で、その行動の意味が理解出来なかった。

私が戸惑っていると、マリスさんは目を見開いて笑いながら震えた声で語り出す。

 

「フフッ……あの日から、私の中の衝動が抑え切れなくなった…。

アラガミを切り刻みたい、アラガミを殺したい、殺したい殺したい殺したい……そんな衝動は以前からあったが、あの日あの子が死んでからこの衝動が人間にも向けられるようになった」

 

あの日あの子が……それって、もしかして「悲劇」?

……ゆっくり、しかし確実に、その言葉の意味を理解していく。

……つまり、マリスさんが言ってるのは、「人間を殺したい」って事で。

 

「……ぁ、ウソでしょ、そんな」

 

人間に、神機使いに刃を向けられるなんて。

逃げなきゃ。逃げなきゃ────

そう思った、その時だった。

 

「……ぁぁぁぁああああ゛ッ!!…海音ミドリ、参!上!!だぜ!!」

「ッ!?」

 

突然目の前に金髪の少女が落下してきて、勢いよく着地する。……下手するとマリスさんの神機に当たる所だった。

その少女は着地した後体勢を立て直した後、海音ミドリ、と名乗った。

 

「だ……誰!?助かったけど!」

「……チッ、何故貴様が来た?」

「だってお前任務終わっても帰らなかっただろ帰してもまずかったけどさ!

……んあ、誰だこいつ?見ない顔だけど。ていうか何でお前以外の神機使いがここに?」

 

きょろ、とこちらを向いた少女、ミドリさんにじっと見つめられ、……ミドリさんの金髪を見て胃が痛くなった。アイツの事を思い出したからだ。

 

「知るか……殺させろ」

「おい、まだそんな事言ってるのかバカマリス!?バカス!!いい加減薬無くても衝動抑えろって、お前がそんなんじゃ困るから!マジで!!」

 

……こちらを見たかと思えばまたマリスさんの方に向き直ってぎゃあぎゃあと叫び始めるミドリさん。忙しい人だな、と何となく思った。

……とにかく、ミドリさんとマリスさんは知り合いみたいだし殺される事は無さそうだ……良かった。

 

「……ッ」

「う、うずくまりだしたぞ……おい大丈夫か、薬持ってきたからこれ飲め!さあ!飲め!NOME!!」

 

……あれ、そういえばミドリさんが来たって事はヘリが近くにある、って事よね。

良かった……これでアナグラに帰れる……。

 

「……あのさ!さっきは助けてくれてありがとね。私は緒帯瑠メノムチ。

えっと……海音ミドリさん、だったよね?」

「おう!……マリスが迷惑かけてごめんなー。ほら謝れマリス」

「…ッ、……迷惑をかけた。すまない」

 

ミドリさんがげしげし叩くと、マリスさんはぺこりと頭を下げる。

どうやらさっき言ってた薬が効いてきたみたいで、振る舞いは落ち着いたものになっていた。

 

「んにゃ、それで良し。

……お前、見ない顔だなー?それに確かこの辺にはマリスしかいなかった筈なんだが……ま、細かい事は気にしねえ!さっさとアナグラに戻ろう、だぜ!」 

「……!うん!」

 

そうして私とマリスさんは、ミドリさんに連れられヘリに乗り込んだ。

 

 

続く