小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER DAYBREAK 第二話

第二話「模擬訓練」

 

 

Side.Malice

 

無機質なアラームが部屋に響いた。

 

「……朝か」

 

色々あって疲れきっていた体を気だるげに起こし、軽い身支度を始める。

……こんなに充実した朝は初めてだ。可能なら、こんな人生をずっと過ごしていたい。

 

「……いつまで持つだろうか、この生活は」

 

フェンリルの制服に腕を通しながら、そんな事を呟いた。

さて、今日は模擬訓練の日だ────

 

 

 

Side.Ryokuno

 

で、私達は仮の神機を使ってホログラム相手に訓練している訳だ。

私がチャージスピア、サヤがロングブレード、マリスがヴァリアントサイズだな。

……こんな事してもつまらねえから、さっさと実地で戦いてえがな。

 

「っふぅ……しかし、まるで本当に戦場に立った気分になりますねぇ……この立体映像は」

「風がねえけどな」

「貴様ら、訓練中だぞ」

 

マリスに忠告を受けるが、退屈で仕方が無いんだ。しょうがないだろ。

……こんなもの、隙を見つけて切りつけて、また距離を置くだけじゃねえのか?

 

「それだけじゃ終わらないんでしょうねえ」

「ッ……」

「おや、驚きました?貴女の考えている事はお見通しですよ、僕は貴女ですから」

 

今度は銃形態に切り替えて連射弾を撃ち込み、その合間にチラリとマリスの顔を見ると何やら怪訝な顔をしていた。私だってしたいんだが。

だって意味分かんねえよ、自分はお前だとか。なら何で私はお前の考えてる事が分からないんだ……。

 

「姉さん、前ッ」

「うわ……っ!?」

 

オウガテイルなる生物を模したホログラムが、私に当たった瞬間消滅する。被弾して私が喰われた、という事だろうな。

 

「考え事ばかりしているからです、よっ」

 

…確かに言う通りだ。サヤは考え事をしていないのかとも思ったが…。

……サヤは無駄のない動きでホログラムを切りつけている。それは良いのだがどこかテンションが上がっているように見える……何故だ。

 

「おい、手が止まっているぞ」

「うるせぇ……今やる」

 

マリスに忠告されたので無駄な考えを振り払い、私はホログラムに神機を向けた────

 

その後行った、協調性のテストも兼ねた大型相手の訓練が完全に上手く行かなかったのは誰の目にも見えていただろう。

 

 

 

「お疲れ様」

「……ん」

 

自販機の前でサイダーを飲んでいると、グレーの髪をした少女に話しかけられた。

そのまま通り過ぎるのかと思ったがどうやら私に用があるらしく、少女は続ける。

 

「私は整備士の楠リッカ。

神機について君に話があるんだけど……良いかな?」

「何だ?」

 

チラリと相手の方を見ながら私は問いかける。

リッカ……さんは付けた方が良いか。リッカさんは何やら資料(神機の設計図のように見える)を出すと、私に見せながら訊いた。

 

「神機の見た目、リクエストとかないかな?

もしあったら、できるだけ元の形が分からなくならない程度にここに書き込んでおいて欲しいんだ。君は……チャージスピア、で合ってるよね?」

「ああ……。にしても、見た目まで変えてくれるのか」

「最近は皆、神機にも気を使うみたいでね」

 

へえ……まあ皆同じだったら分かりづれえし、武器もおしゃれにしたいってのは分からなくもねえな……。

 

「決まったら、その紙を持ってきてくれる?

私は基本的に神機保管庫にいるからさ」

「……ん」

 

こく、と頷くとリッカさんは「それじゃ、またね」と呟いてエレベータに乗り、この場を後にした。

……私が言うのも何だが、まだ若いのに大変だな。

 

「……デザイン、な」

 

ほんの少しだけ、これからが楽しみになってきた。

 

 

続く