読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER DAYBREAK 第三話

第三話「変質」

 

 

 

Side.Ryokuno

 

 

あれから数日後の朝。

今日の模擬訓練は昼からだとか、もう神機のリクエストの資料は提出したからやる事がないとか……そんな事を寝惚け目で考えていた。

 

「……」

 

そういや、今日はやけに右目が痛い。

色々あって失明したんだし、痛むのは当然だといえば当然だと思うしそうでないと言われればそうでないと思う……かもしれない。

 

「一応……見てみるか」

 

そう呟きながら寝巻き姿で立ち上がり、右目に巻いた包帯を外す。……なんだ、おかしい。視界が広い。

……右目が、見える?嘘だろ、まさかそんな事は……潰れた訳じゃねえし、ありえるが。

……とにかく、それより何か異常は無いか確認しないと、等と考えながら鏡の前に立った。

 

「……マジ、かよ」

 

そこには、右目が赤みがかった金色に変色した私が映っていた。

金色の目は、まるで人ならざる異質なソレで、どことなく……それでいて強烈なくらいの不気味さを感じた。

昔は左目と同じ緑色だったはずなんだが……。

 

「……不気味がられるのも面倒だし、隠すか」

 

そう呟いて、私は包帯を巻き直した。

 

 

 

 

「片目、見えましたね」

「……なんでお前が」

 

そして案の定、海音サヤに声をかけられた。

現在ラウンジで缶コーヒー(自販機で買った)を飲んでいるのだが、何も考えずにただぼーっとしていたら後ろから突然声をかけられたのだ。心臓に悪い。

 

「あれぇ、前にも言いませんでしたか?僕と貴方は同じ、だと」

「…………やめろよ、そんな事言うな」

 

虫唾が走る。

……恐らく、自分とお前は同じだから自分に起こった事はお前にも起こっている、という事なんだろうが……それでも。

 

「……いい加減認めて下さいよ、でないと…」

「でないと何だ!?認めたって『沙夜』は戻ってこないんだろ!?」

 

コーヒーの缶をテーブルに叩きつけて叫ぶと、周りの人間が一斉にこちらを見た。

「喧嘩?」「何事だ」等とざわめいているのが分かるが、そんなの私には関係ない。

 

「…………姉さん」

「お前は、お前は『妹』じゃ……『沙夜』なんかじゃねえ!分かったらこれ以上私に関わらないでくれ!!」

 

そう叫ぶと、私はコーヒーの缶を握りしめてその場を後にした。

 

……アイツを認めたら、沙夜は本当に…

 

 

 

Side.Saya

 

僕はただ、姉さんに認めて欲しくて。

あの日から貴方を想い続けていたのに。

 

「……ああ、こんな事を考えてはいけないのに…姉さんを殺したくなりそうだ」

 

姉さんのおかげで、姉さんのせいで僕は生まれたのに。

僕の支えだった姉さんに、ただ一人の生みの親に拒絶されてしまえば、もう。

僕は一体……

 

「おい」

 

聞き覚えのある声にはっと顔を上げると、そこにはマリス・エイデンが立っていた。

……確か、僕と同じ新人……だったか。

 

「先程言い争いをしているのを見てな。

……まずはこう問おう。大丈夫か?」

「…………」

 

はっきり言って大丈夫じゃない。

だがそう言うのも何だし……大丈夫だと言うのも気が引ける。

……それなら、全て話してマリスを駒にすれば良いのではないか?

 

「……話を、聞いてもらえますか」

「…………、こう言っては何だがあの女は貴様の事を「妹」と呼んでいた、それが引っかかってな。話を聞かせてもらおうと声をかけた」

 

それなら、好都合。

嘘を吐くつもりは無いが、僕の話を聞けばマリスは姉さんに非があると思うだろう。

そうなれば……後はマリスがどう動くかにかかっている。姉さんを説得してくれれば良いのだが。

 

「…そうだったのですか」

「嗚呼。…だが話したいのなら丁度良い、部屋で話を聞こう」

「分かりました…」

 

そう答えると、マリスは「行くぞ」と呟いてラウンジの外へと歩いていく。

……チラリとこちらを見て「早くしろ」と言われたので、少しだけ急いでそちらに向かった──

 

 

続く