小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER DAYBREAK 第五話

第五話「疑問と答について」

 

 

 

Side.Ryokuno

 

 

……で、邪魔なヤツもいなくなったっていうのに何で私は自室の前でまた絡まれてるんだ?

 

「貴様に聞きたい事がある」

「失せろ」

 

私と同期のマリス・エイデンだったか、今度はソイツが私の前で待ち伏せしていやがった。

……本当にめんどくせえ。私が何をしたって言うんだ。

 

「私の邪魔をするんじゃねえ」

「何故、そこまでして他者との関わりを避ける?……特に、海音サヤとの関わりを」

「チッ」

 

めんどくせえ。ただひたすらに、面倒だ。

やっと『海音サヤ』から離れられると思ったのに、コイツも『海音サヤ』について触れるのか。

何でお前らは、私の邪魔をするんだ。

 

「お前には関係ねえ」

「……否、あるな。同じ施設にいた人間として」

「お前は」

 

……何で私が、『海音サヤ』という人間と仲良しこよししなくちゃいけないんだ?

『沙夜』を私から奪ったアイツと、どうして。何でお前らはソレを強いるんだよ。

 

「……自分が知りたい事は、当事者に聞けば何でも答えてくれるとでも思ってんのか?」

「貴様には答える義務がある」

「…ハッ」

 

そう答えても全く動じずに返してきやがった。……義務?笑わせやがる。

一人の人間でしかないコイツに私の事情を話す義務がどこにあるというのか。

 

「自惚れるなよ、クソ野郎」

 

……瞬間、私は背後の壁に肩を押さえ付けられていた。

 

「それは貴様もだ」

 

壁ドンってヤツか、……私の逃げ場をなくしたつもりなのか、コイツ。

……頭おかしいんじゃねえのかコイツは、何でここまで人の事情に探りを入れてくるんだ。

 

「何で関わりを避けるんだっつったが、そういうお前は何で私にここまで関わってくるんだ」

「例えばの話だが」

 

 そう言うと、マリスはこちらを睨みつけたまま例え話とやらを始める。

……付き合ってられねえ、さっさと部屋で休憩したいんだが。

 

「貴様は、貴様が言っていた『沙夜』とやらに何の理由も無く避けられたら……どう思うのだ」

「…………」

 

あの喧嘩を盗み聞きされていたのか……めんどくせえ。

……にしても、何でコイツはそこまで海音サヤに肩入れするんだ。意味が分からねえんだが。

 

「それに」

「あ?」

 

ようやく聞く耳を持ったな、と言われて少しイラっとした。

それに、とかお前が言うからだ。それに興味を持って何が悪いんだクソ。

 

「本人から話を聞いた上で判断した…ああ、あくまでも私の推測でしかないが。

海音サヤは、P73偏食因子を投与された事によって変質した可能性がある」

「……それが、アイツと仲良くしなきゃいけない理由とやらなのか?」

 

さり気なくアイツから話を聞いてやがる。

…変わってしまったのが自分の意思ではないにしても……それにしても、あんな化物になる事ねえのに……。

アイツは、自分の異質さに気付いてねえんじゃねえのか……?

 

「いや……確かに目を抉ったのは異常だとは思うが、それでも…海音サヤには人の心がある」

「………………」

 

人の心、な。

……もうこれ以上足掻くのもめんどくせえから、聞き入れといてやるか…そうしないとどいてくれそうにねえし。

 

「そこまで言うんなら考えてやる」

「それで良い」

 

そう答えると「邪魔をして悪かったな」と腕を離された。

……そう思ってるんなら最初から邪魔なんてしないで欲しいんだがな。

 

「昼から模擬訓練がある。忘れるなよ」

「分かってる」

 

忠告を受けたのでちらりとマリスの方を見てやり、扉の方へ向き直ると私はそのまま休憩の為に部屋へと入った。

 

部屋のソファに腰掛けると、私は「自分が海音サヤを嫌う理由」について考え始めた──

 

 

 

続く