小説・設定置き場:GE系

2050以前の事にばかり力を入れていました(過去形)

GOD_EATER LATE_AT_NIGHT 第六話

第六話「 」

 

 

 

Side.Ibuki

 

 

休もうと思ったが、そういえば腕輪の認証とやらがあったらしく。

 

『すまん!私はちょっとやる事が出来たから、一人で行ってくれるか?ごめんな!』

 

と言われたのでオペレーターの元へ行き(どこに行けば良いか分からなかった、窓口的なノリ)、サカキ博士とやらの研究室に行けば良いとの事なので一人でそこに向かう所だ。

 

「……ガキじゃねェっての」

 

少々過保護な気がする…もう少し信用してくれたっていいのに、等と考えていると。

 

「きゃっ」

 

考え事をしていて注意が散漫していたのか、桃髪で緑色の服を着た少女にぶつかってしまった。……胸がそれなりに大きい。いや、そっちに目をやっちゃいけないな。

 

「ア……悪ィ」

「ううん、大丈夫です」

 

軽い会話を交わすと俺はエレベーターに行き、相手はソファに座っている暗い緑髪の男性の元に行って何やら話をしていた。

誰なんだろうと思ったが赤の他人にそこまで興味を抱くのも何だかなあとも思ったので、この事を考えるのはやめエレベーターのボタンを操作して研究室へと向かった。

 

 

 

 

「やあ、よく来たね!」

「オ、オォ……どォも……」

 

研究室に入ると、僅かに赤みがかった(いや、茶色……?とにかくほんの僅か)白髪でメガネの男性が何やらコンピュータを操作していた。

……この人がサカキ博士か、少し老けているな…

 

「君が鈴科イブキ君、かい?」

「……はイ、そォ…です」

 

何というか、奇妙な雰囲気を漂わせた人物だ。

そのせいで緊張していたのか「固くならなくていいよ」と糸目のまま言われる。……いや、緊張を解けるなら解いてる、と思った。

 

「準備は良いかな?」

「……」

 

こくりと頷くと、コンピュータの一部分であろう穴(腕輪を通すものなんだろう)を指さし「ここに右手を通してみたまえ」とサカキ博士は言った。

言われたままに、右手を通す。……少しして、博士が何やら「これは興味深い!」等と言い始めた。……何なんだ、ロクでもない香りがする。

 

「アの、一体何が…」

「気になるかい? これを見たまえ」

 

ビクビクしながら問いかけると、博士はこちらにコンピュータの画面の一つを向けた。

その画面に表示されていたのは────

 

 

 

 

Side.Midori

 

 

相棒の安否が心配だったが、案外通話にはすぐ出た。

……全くの無傷だった。

 

 

 

『何、平行世界について教えろ?それは私の得意分野だ、いくらでも語ってやる』

「ああ、いくらでも教えてくれ」

 

『まず基礎知識から。平行世界ってのはもしもの世界だ、まあこれはお前も分かっていると思う』

 

『分かりやすく具体的に言うと。

お前が作られなかった世界、私が神機使いにならなかった世界、海音サヤが生まれなかった世界、私が生まれなかった世界、みてえな感じだな。本当は僅かな差、そして過去未来も私は平行世界として扱っているがややこしくなるからその話は省く』

 

『何?平行世界から人が転移してくる事は有り得るのか?知るかよ。……は?あの紫髪の女が転移者?お前それ誰から聞いた?』

 

ツクヨミ?……ああ、アイツか。生きてたのか、アイツ。まあくたばらねえ気はしてたけど』

 

『……世界の歪みで転移してきた?何それ、どういう……ああ、アイツを押し返したからか、成程』

「一人で話を進めないでくれ……」

 

………………

 

『他に聞きたい事?何だ。それについて知ってる事を全部吐け』

「茶髪の女の子が、さ」

 

………………

 

『で、まあ。

恐らく、その茶髪の少女ってのは本当にこの世界にいたんだろう。お前の感応現象や写真の話を聞く限り、な』


『それの存在が「世界」とやらに揉み消されてしまって、異常な消え方をしたからか知らんが椅子が一人分空いてしまったんだ。パズルのピースが一つだけ欠けてる、が分かりやすいか。これが世界の歪み』

 

『で、とりあえずのピース……ここでは白紙のピースにしておく。その椅子を埋める為に、「世界」とやらはとりあえずのピースを作ったんだ。誰が突然座らされても最初から存在していた事にできるようにな。
これが、腕輪も神機も部屋もある理由だ』

 

『で、その空いた椅子に座らされたのがその……鈴科イブキだっけか。ソイツって訳だ。どうして選ばれたのかは知らん』

 

『まあ、私の憶測でしかねえが』

 

………………。

とにかく、相棒である海音リョクノは無事だった。

今はついでに『平行世界』や『茶髪の少女』について聞いているが、どこでこんな知識を得たのやら…

 

「……そういや、「世界」とやらは何で空いた椅子ごとぶっ壊さなかったんだ?」

『知るか』

 

即答だった。……そりゃあ、「世界の意思」を一人の人間である相棒が知っていたら驚くよな。

…………にしても、平原地帯で拾ったあの神機は一体何なんだ?

 

「相棒、神機の盾とか壊れてないか?」

『んな訳ないだろ。もしそうなったらお前に異常が出てる』

 

だよなと呟き、盾が入っているポケットに手を添える。

……本当に、謎だらけだ。一体この世界、どうしちまったんだ?

 

 

 

 

Side.Ibuki

 

 

コンピュータの画面に、表示されていたのは。

 

『     』

「腕輪は正式なものだし、認証も可能……

でも個人情報は空白になっているね?」

 

『ソレ』が表す意味は、俺には分からなかった。

 

 

 

続く